備忘録2

 ある日のこと。

 

 実家の廊下は天井が高くて常に薄暗い。小さな明かりはいくつかついていたが、それはすべてを照らす訳ではない。

 夕方、薄暗いトイレの前で私は横着してトイレの前の電灯だけつける。ぽわりとトイレの周辺だけが明るくなり、私は急いで扉を開けて入る。窓の外は竹林になっていて、少しの風でもざわざわと騒がしく、それは誰かの話し声のようでいつも嫌な気持ちになってしまう。

 

 用を足して、手を洗う。さて、電気を消して部屋に戻ろうかというところで、視線の端に何か白いものを捉えた。

 ゆっくりと顔をあげる。白いものがはっきりと眼の真ん中に移動してくる。

 

 それは真っ白な人の形をした何かであった。

 

 離れと通じる廊下の方から、それはこちらを覗いている。まさか見つかると思っていなかったといった様相で、向こうもまたこちらをみながら硬直している。

 どれくらい経っただろうか、白い何かはハッとしたように動き出し、離れの廊下へ消えた。私は咄嗟に追いかけることも出来ず、身体はトイレの前に縫い付けられてしまったように動かない。

 しかし、恐怖はいつまでも続かないもので、いつしか身体は動くようになり、私は廊下の電気を全部つけて離れの方へと向かった。

 

 離れの廊下には電灯がなく、暗い廊下を抜けて離れに入らなければ明るくならない。怖い気持ちを押しのけて、離れに小走りで入って電気をつける。そこには何もいない。

 

 ご先祖様のお仏壇や、細々とした雑貨が詰められた部屋はシンとして生活臭がまったくない。お盆にお坊さんがお経をあげに来るとき以外は全く使われないその部屋は、どこか浮世離れした雰囲気である。

 

 ふと、お線香の匂いが鼻をよぎる。毎日祖母がお仏壇にお線香をあげているが、こんな夕方にまで香るのだろうか。

 

 私はそっと離れを後にする。後ろは振り向かない。

アマプラで見た映画の記録7

・牛首村

 むかしからある都市伝説の村を題材にしたホラー映画シリーズ。牛の首というと、内容はわからないがおそらく一番怖い怪談と噂される中身のないホラーがある(学校の怪談の七つ目のように、存在は匂わされるが、実体のない噂話の類)。牛といえば、昔から農耕と深い関わりがあり、決して安い生き物でもないので農村部では特に珍重された存在であるのにも関わらず、牛首とはなんとも不敬で不気味な名前だと感じる。

 有名心霊スポットから話は始まる。そしてその心霊スポットには何故か異世界エレベーターがある。どれだけホラーの天丼なのか。怖がる女の子をエレベーターに閉じ込めたあげく、そのエレベーターが壊れてその子が消えるとか、曰くの上塗りである。ちなみに、この心霊スポット良くない人々の集会場所となっている噂も多々あり、絶対に女子だけで行ってはいけない。

 主人公の女の子はある時から不思議な現象に悩まされるようになっていた。そして自分に似た女の子が部屋にいるのを目の当たりにする。そんな中で、友人に自分にそっくりな女の子が心霊スポットで行方不明になったことを知り、その場所を尋ねることにした。そしてある村に行き着く。そこには自分の母親がいて、行方不明の女の子は自分の実の双子の姉妹だという事実を突きつけられる。

 この村では昔から生贄の儀式があり、双子のうちの一人が選ばれて、牛の首の被り物を被せられ、選ばれた人間は閉じ込められて生涯穴倉で過ごす。食料などは与えられない為殆どの場合は餓死をする。口減らしなのであろうが、相手を牛の首の化け物に見立てて殺すでもなく穴に落として餓死させるというのはあくまで自分の手を汚さない、自分勝手な行為で見苦しい。

 主人公も双子に生まれたが、両親が片方を別の土地に引っ越しさせるという手をとることで逃がしていた。しかし、その長年続いた忌むべき儀式は呪いとなって主人公に襲い掛かる。生贄たちを放り込んでいた穴の上に築かれた建物の封印か解かれ、生贄たちの魂は次々と解き放たれる。

 生贄の穴で見つけ出された妹と共に逃げ出した主人公。二人で崖に身を投げると何故か異世界エレベーターの中に移動していた。

 助かったと思われたが、最後はとても不安な終わり方。はたしてこの生贄の儀式は終わることが出来るのか。いつか本当に魂が救済されることを願ってやまない。

 

・劇場版 本当にあった怖い話~事故物件芸人4~

 様々な事故物件を舞台にした、オムニバス形式のホラー話。それぞれが心霊物件に住んで、そこで体験した心霊現象を話していくという形式。最近のお笑い芸人さんは演技も出来て凄いなと感心する。笑いはないが、どこか柔らかい雰囲気があるのでみやすいホラーだと感じた。

 

・座敷鬼

 彼氏と共に田舎の宿に泊まった主人公。広く立派な和風の宿は暗く、宿の人もなんだか不気味な雰囲気がある。その宿で花の香りや何か気配のようなものを感じ、縁起の良い座敷童がいると宿の主人に説明される二人。何故かそれは女性の前にしか姿を現さないらしい。

 そして宿から家に帰った主人公を何者かが訪ねてくる。ドアを開けるもそこには誰も居ず、しかし扉を開けた日から異変が起き始める。座敷童を連れ帰ってしまったのではないかと怯える主人公。彼に進められるままに盛り塩を行うも、これが座敷童を怒らせてしまう。的確に受け入れれば福をもたらしてくれるそれは、拒絶すると鬼となり憑りついたものを襲う化け物となる。

 はっきりと見えない分不気味さがあって、圧倒的な力を前にしてただ何もできない無力感がすごい。後味がよくない。

 

 ・シン・ウルトラマン

 庵野監督作品のウルトラマン。地球外生命体であるウルトラマンが、子どもを守って死んだ人間の身体を借りて地球を狙う怪獣たちと戦っていく。

 怪獣対策の部署にいた人間に成りすましたウルトラマンだったが、慣れない人間とのコミュニケーションに戸惑ったり、内緒で怪獣を倒していくうちに人間という存在に対して愛を感じ始める。敵はシンプルな知能のない怪獣から、搦め手で地球を狙う怪獣たちまで多岐に渡っていてウルトラマンだけでは知能派の怪獣には手が出ないうえに、圧倒的戦闘力のゼットンまで出てくる。今までは庇護対象であった人間と手を組み、その知識や組織力を借りて強大な敵に立ち向かっていく様は感動がある。

 やはり、ゼットンのピポポポポゼットン……というそのままの鳴き声?は趣がある。圧倒的な破壊力に反しての、ちょっと親しみやすい音がとてもよかった。

 

・バスカヴィルの犬

 元ネタはコナンドイルの名著、シャローックホームズシリーズ。膨大な遺産を狙う親族たちが次々と犬のようなものに襲われて亡くなっていく。主人公の探偵が事件の謎を追っていくうちに、過去の悲しい幼児の事故死や誘拐事件が明らかになる。

 最後は大規模な地震に見舞われ、家族ごと屋敷に埋まる。なんとも物悲しく、真実を明らかにしたことになにか意味があるのかとも思ってしまうが、最後本当の家族として抱き合えたのはよかったのかもしれない。

 

・ヴァチカンのエクソシスト

 肉体派のエクソシストか??と思いきや、非常に理論派で冷静なエクソシスト心理的な病気と、悪魔祓いを別に考えているのが非常に現代的でよかった。しかし、精神的な病気といってもそれが危ういのには間違いはなく、以前一人の対象者が自殺してしまっていた。そのことを主人公は非常に悔いていて、彼にとって大きなトラウマとなっている。彼はある子どもの悪魔祓いに関わることとなるが、その場所に巣くう悪魔は力が強く狡猾で、実は彼がターゲットで子どもは囮であった。

 激闘、そしてまさかのエンディング。後味はよくない。

アマプラで見た映画の記録6

2023

 

・ホラーチャンネル 都市伝説

 友達とカラオケをしているシーンから始まる。友達が心霊写真を撮りたいと言い出し、呆れる主人公。その晩、友人が主人公宅で心霊写真を撮れる方法を見つけたから試そうという。嫌々参加する主人公であったが、鏡越しにベランダの外に立つ男を見てしまう。といったように、短編がいくつか入ったオムニバス形式のホラー。

 友達の家で勝手に儀式する友人といい、痴漢免罪の就活生といい、浮気する彼氏といい、問題ある人間ばっかりかよ……とあきれる。しかも問題ある方ばかりが痛い目にあうわけじゃないっていうのが辛いところ。ここで書いた他にも何話か入っているが、君子危うきに近寄らず……。危ないことは遊び半分でやらない方がいい。

 

17歳のカルテ

 主人公の女性は非常に精神的に不安定で、家族から腫物のような扱いをされていた。結果彼女は精神病院に入院することとなる。そこには様々な症状の人間がいたが、その中でもリサはカリスマ性もありながら、攻撃性もあった。薬を飲み、病棟で過ごすだけの毎日の中で主人公がどう過ごしたかが描かれる。

 

グランツーリスモ

 人気ゲームグランツーリスモに夢中な主人公。その地域では一番のプレイヤーであったが、実験的にゲームが上手い若者たちが集められ、実際のレーサーとして起用されることとなる。相手はレーサーとして教育されてきた者たちがかり、ゲーム世界で腕を振るってきた若者たちが、現実のレーサーと勝負することができるのか。

 最初はゲームと違ってGがかかったり、現実のレースは少しでもスピンしてしまうとクラッシュしてしまう危険もあるものなので、主人公はうまく位置取りができなくなったりもするのだが、同じ目標にむけて頑張るライバルや仲間たち、そして昔プロのレーサーだったコーチに囲まれて、少しずつでもその才能を開花させていくのがありきたりではあるが面白いし、やはりスピード感が格好いい。

 

岸辺露伴ルーヴルに行く

 漫画原作実写化映画。シリーズ物。岸辺露伴は売れっ子漫画家であり、リアルさを売りにしている。その為、どんな危険な取材も積極的に行っているのだが、今作では見たら死ぬと噂の黒い絵を探してルーヴルへと行き着く。それは昔の絵師が描いたものであったが、彼は憤怒と無念のうちに妻を亡くし己も死んでしまった。その怨念が不思議な顔料のせいもあってか絵に反映されて、その絵を見た人々は祖先も含めたの過去の罪によって殺されてしまうのだ。

原作とは少し違っているが、これはこれで立派な岸辺露伴であるのは本当にすごいなと毎回感じる。自分の先祖をずっと辿っていけば、どこかで悪い人が一人はいてもおかしくないと思うのだが、岸辺露伴の担当編集である女性には全くの無害であったのには驚いた。シリーズどれも面白いのでお勧め。

 

・それがいる森

 嵐の相葉雅紀君主演映画。農家を営む主人公の元に、離婚したときに別れ別れになった息子が訪ねてくる。都会に居たころはあまり触れあったこともなかったこともあり、ぎくしゃくしながらもしばらく一緒に過ごすこととなる。息子は田舎の小学校に入ることになった。友達を作って探検などを楽しむ息子だったが、同級生が行方不明になってしまう。息子は不審なものをいくつか見かけていた。そして森だけでなく、主人公のビニールハウスにも怪しげな影が忍び寄っていた。それは人間のようで全く違う地球外生命体だったのだ。その生き物は植物がかかる病気に弱いらしく、ビニールハウスにいくつか病気に掛かった植物がいたことで撃退に成功する。

 宇宙人の目的は、人間の子どもを胎内に取り込んで、その栄養分によって成長することであり子どもたちのいる学校が狙われてしまう。子どもたちが逃げ惑う中、主人公は病原菌をつけた棒を使って宇宙人たちを撃退することに。最終的に宇宙人たちは星へと帰っていくが、もしかすると次は病原体への耐性をつけて帰ってくるかもしれない……。と不穏なエンド。

 実はたびたび宇宙船の目撃例があがっていたこの村。昔から森は危ないから子どもは立ち入り禁止とされていたのも、ひそかに村民たちが宇宙人たちを追い返してきた長い歴史があったのかも、と思うと面白い。宇宙人のチープさに対して、なかなかストーリーは面白いなと感じた。

 

富士五湖奇譚 呻母村

 心霊系youtuberもどきや、霊能力者や、曰くがある所を取材している女性などがある廃村に興味を持ってしまったところから呪いが伝播していく。最初のyoutuberもどきの動画で出てくる部屋、よく心霊系動画でみる部屋だなと思った。撮影スタジオ的な所なんだろうか。シンプルにトイレを流さずに帰るのは取材OK出してくれた大家さんに対する背信行為。心霊現象に気付かずに帰るのザル配信者すぎた。妙なリアル感が面白い。  

 そんな配信者が廃村に興味を持って突撃する。動画配信者に絡んでくる地元の変なおじさんのリアルさ。昔村民を焼き殺したという老婆の家に行くも、ボロボロの家に対して新しめのビニールシート、二階への階段も登れる状態。不審な物音を聞いた配信者は家から飛び出る。そして村の祠から人形を盗み、家路につくのであった。その数日後、配信者は行方不明となる。

 次の霊能力者は元々テレビなどにも出ていたが、今はしがないオカルトショップの店長である。彼はオカルト関係の仕事で細々と生活していたが、ある日除霊の依頼を受け民家に向かった。民家での除霊を終えたあと、何故か廃村での除霊の様子が映像だけ流れぶつりと切れて霊能力者のエピソードは終わる。

 最後の人物はダークツーリズムを行っている女性。ダークツーリズムとは人の死や悲しみを対象にした観光のこと。戦争跡地や事件の舞台となった場所を訪れることである。不謹慎だなとも感じるけど、悲しい事件を風化させずに語り続けるのもまた人間の役割であると思うので節度を守って行うのならいいのかもしれない。昔行方不明事件が起こったキャンプ場に向かっていた女性であったが、道に迷ってしまい廃村へと行き着き、白装束の女に襲われ、足を潰され放置される。

 そして最初の事件に戻る。配信者は行方不明のまま、霊能力者の元にはなぜか一話目の配信者が盗んだ人形が送られてきていた。除霊を試みるも呪いに殺されてしまう。そしてダークツーリズムの女性は何とか家に帰りつくも脚は切除することになり、精神も崩壊してしまっていた。あの村はいったい何だったのか。白装束の女の正体は明かされないまま終わる。

 チープさが逆にユーチューブっぽくてリアルなのが良かった。落ちはよくわからなかったけど、この映画を作った人も最後やられたってことでいいのかな??

 

・真事故物件 本当に怖い住人たち

・ディープ・コンタクト

 

アマプラで見た映画の記録5

3月

・傀儡の家

 ホラーゲームのような構成で、前半はストレートに怖いというよりもなんとなく雰囲気があるな、なんとなく怖いなと感じることが多くてぞわっとする。登場人物の気のせい?見間違い?それとも、と思わせる所がうまい。過去にその家に何があったか調べるところが脱出ホラーゲームのようで面白い。

 一方的な被害者と思っていた登場人物が実は……だったり、終始クソムーブをしてるキャラが最後は痛い目にあったりと意外性や勧善懲悪な部分もあって、ジャパニーズホラーにしてはすっきりと終わった。

 

2月

・サイレントナイト

 戦時中のある国で、人々は死の恐怖と戦っていた。敵国が致死性の高い兵器を使うことが政府から発表され、国民にできることは安楽死の薬を飲むことのみ。その中である一家がどう過ごしたかが描かれた映画。毒ガスなんて嘘だろって普通なら思うところだけど、その時の状況や誰が発表したかで信頼度って変わってくるなと思った。最後の最後、どんな風に誰と過ごすかは大事だなと思う。やっぱり家族と一緒がいいかな。そして騒がしかった夜が明け、人々のいない朝が始まる。希望か絶望か、なんともいえない終わり方。

 

1月

・オテサーネク

 チェコの民話を元にした、ちょっと悲しいホラー。ある不妊に悩む夫婦が妻の気晴らしをするために田舎に別荘を買って余暇を過ごす。庭の整備をする夫は赤ん坊に似た形の切り株を見つけ、ちょっとした悪戯を思いつき、妻に赤ん坊を見つけたといって切り株を見せる。夫の思惑とは反して、妻は本当にそれを赤ん坊として扱うようになってしまう。

 最初の方は本当にただの切り株だったはずなのに、どんどん自ら動き出すのはちょっとぞっとしたし、夫はいったい何を掘り出したのかと怖くなった。どんどん食欲を増していく切り株に最初は普通に食べ物を与えていたのだが、だんだん切り株は生きている猫や鳥を食べるようになっていき、最終的には人間を襲うようになる。

 このままでは大きな被害を出してしまうと断腸の思いで切り株と別れる夫。しかし近所の子どもがその様子を見ていて、切り株を解放してしまう。

 最後ははっきりとは描かれていないが、おそらく元ネタの通りになったのだろうなと思う。

 人間それぞれのエゴが垣間見えて、風刺的な所が面白い。

 

・それ ~それがやって来たなら…~

 風船、ピエロ、タイトル、明らかに某有名映画を意識したものであるが、内容は全然異なる。ボーイスカウト?のような宿泊研修に参加した子どもたちと付き添いの大人が事件に巻き込まれる。付き添いの大人の方が原因で、昔虐待されている子どもを見捨ててしまった過去があり、その子が大事にしていたピエロの人形が復讐に訪れたのだ。見捨てられた子は可哀相だが、研修に訪れた子どもたちを巻き込んだ意味は……??と疑問に思ってしまった。他に被害者を出すのは見捨てた以上の罪では……??タイトルで損してるなあと感じた。

 

・The SUPER MARIO BROS.MOVIE

  最初の工事現場を駆け抜けるシーンから、もうゲームのマリオで心が湧いた。クッパが結構ロマンチストというか、愛に生きてる感じでゲームよりは悪役感少な目。キノコ王国でどうしてピーチ姫だけ人間なのとか、ゲームでは語られていない部分も語られていて新しさもあった。途中からはマリオカートの要素も加わってスピード感が増してくる。クッパの本拠地での戦いはアクション要素もあって面白かった。ルイージはもはや第二のヒロイン。死は救済くん(勝手に名付ける)はいったいなんだったんだろう??2のフラグ??元ネタがわからなかった。

 

・ミーガン

 第一印象からして、よくできているなと感じた。CGかと思っていたが、実際の子役を使ったミーガンの映像は人間とは思えない無機質さとぬるぬる動く感があって、なんとも言えない不気味さがあった。家族を亡くしてしまい、心を閉ざした少女にケア要因として与えられたミーガンではあったが、段々少女を第一としすぎるあまり周りに対して攻撃的になっていく。そもそも、実験段階でセーフティにバグがあったのにも関わらず、実現化に向け急ぎすぎているのは大人の悪いところ……。

 少女を襲った犬が消えたり、いじわるしてきた少年が怪我をしたり、開発者がおかしいと思った頃には、少女はミーガンにどっぷりはまってしまっていて周りもミーガンの一般発売を進めようとしている。そして起きてしまう大量虐殺。

 最後は解決した!!と思いきや、不穏な気配も。どんなに便利な道具でも、使う人間が愚かならそりゃあ大怪我しちゃうよなあと納得する部分も。技術だけでなく、人間も成熟していかねばならない。

 

BLUE GIANT

 漫画原作のアニメ映画。プロのミュージシャンを目指す主人公が楽器一つで成功していく物語。原作はもっと挫折や失敗があった気がするが、時間の制限もあってかほぼほぼ順調なサクセスストーリーになっていた。田舎の少年が都会に出ていき、バイトをしながら仲間を探し、バンドを組んで活動をしていく。作中に出てくる曲がやたらと良いなと思ったら、上原ひろみさんが担当していたらしい。原作を大事にしている人からすれば、大事なストーリーがかなり削られていたり、キャラのその後が改変されていたりと納得できないことは多いだろうなと思う。原作がない、一つの音楽作品としてみれば面白かった。

 

 

アマプラで見た映画の記録4

11月

・yesterday

 ある夜、世界的な停電の中で主人公は事故にあってしまう。病院で目覚めた彼は世界から様々なものが失われたことに気付くのであった。

 歌手を目指していた主人公はBeatlesが世界から失われたことを利用し、Beatlesの楽曲を発表し一躍スターへと昇り詰めていく。ここだけ聞くと凄く悪い奴みたいに見えるが、彼はBeatlesのファンで、世界にBeatlesを取り戻したいという気持ちもあったのではないだろうか。徐々に周りに認められていく中で、本物のエドシーランが家に訪ねてくる展開は熱かった。ここから主人公は世界的に有名になることになるのだが、昔から献身的に尽くしてくれていた幼馴染兼元マネージャーの彼女が離れて行ってしまう。

自分のオリジナルではない他人の曲で売れているという罪悪感、彼女への愛の狭間で揺れ動く主人公。そして彼はある決断をする。

 所々に入ってくる家族や友人の空気が読めてない行動や、付き添い人の緩い感じがシリアスな中にもほっとする空気を生み出してくれて段々好きになってくる。

 基本的にみんなゆるくて良い人が多いのが安心感がある。見てよかった。

 

5月

・ヘルハウス

 ファウンドフッテージホラー。ファウンドフッテージとは、未編集の動画を見ているというコンセプトのモキュメンタリー形式のことを指すらしい。過去に動画を撮っている人の目線で物語が進むので、必ずしも真実に行き着くわけではないというのが割と肝である。1と2があるので順繰りで見た方が分かりやすい。結構悲惨な展開で、人間同士はギスギスするし、悪魔は出てくるし、残酷描写もあって悪いことがドミノ倒しのように起こっていくのでスピード感がある。呪怨を思わせる人を引きずり込む展開もあって、もう助からないよ感がすごい。

 

ゴジラー1.0

 ゴジラとの戦闘がメインというよりも、戦後の人々の強さや優しさや、どこかやりきれない雰囲気がメインの映画かなと感じた。映画の流れ的に主人公の飛行機乗りを引き立たせる為に海上戦闘がメインになるのはわかるが、足がついてないのに立ち泳ぎみたいに顔が見えてるのがしっくりこなかった。ゴジラの知能から考えて、最低限の部位だけ出して破壊光線出しそうな気がするんだが……。または人間が手を出せない水面下からとか。どうどうと姿を見せて戦ってくれるゴジラさんぱねえっす。

 主人公である神木くんと浜辺美波ちゃんが心を通わせていく様はほっこりするし、冷たいと思っていたお隣さんが実はとても世話焼きの温かい人だったり、元上司が最後に飛行機に施してくれた仕掛けは心が温まるものだった。

 自身を失っていた神木くんが疑似でも子どもを持って家族を養い、仕事仲間と和気藹々と過ごしているのは人間の強さを感じたし、あきこちゃんの将来を考えて努める主人公にとても共感を覚えた。最後は不穏なものであったが、いつか続きが出たりするのだろうか。とても面白かった。

 

・ゲゲゲの謎

 典型的な因習村ホラーで、逆に安心感さえある。惜しむらくは祟りじゃ~と叫ぶお婆がいないことだろうか。

 閉鎖的な村で、村一番の金持ちの家にやってきた主人公水木がその家の秘密に触れていくストーリーはハラハラしっぱなしだった。大人たちは一様に目が濁っていて、子ども達のまだ美しい瞳がやけに眩しくも悲しい。坊やの都会に憧れて主人公に懐く様子が救いのない気持ちにさせる。大人が子どもを踏みつけて自分の利益だけで動いちゃいかんよ。妻を探す鬼太郎のおやじさんと共に桜の木の下で共闘する展開は手に汗握った。

 子どもの将来を大切にできない、利己的な村は滅ぶべきだったのだ。集めに集めた恨みは大きな力となって全ての人を襲おうとするが、鬼太郎のおやじさんが全力を尽くしてそれを止める。水木との出会いはこの為だったのか。妖怪も人間も守るために優しくなれるし、強くなれる。悲しいながらもどこか救いもある物語だった。

 

・最終絶叫計画5

 おバカホラーの金字塔。有名ホラー作品である『MAMA』、『フッテージ』、『ブラックスワン』『死霊のはらわた』などのパロディがふんだんに盛り込まれていた。所々しっかり怖いし、残酷描写もあるのだが雑なコラ画像みたいな所もあって誰も死なないし、下品さと汚さがマシマシで笑えた。

 ホラー好きならすると、このシーンはあの映画のパロディか??と考察することができて一段と面白いんじゃないだろうか。

 

・カミングスーン

 金に困った主人公が、勤め先の映画館でまだ公開前の映画映像を盗み出し転売しようとする。しかしその映画は決して観てはいけない呪われた映像だったのだ。

 公開前に視聴してしまった人々が次々不幸な目に遭う中、主人公たちは何故そんなことが起こるのか、その映画について調べはじめる。そして明らかになっていく過去の悲しい事件やその映画の女優に起きた悲惨な事故。その怨念はあまりにも強く、主人公たちはなすすべもない。

 まあ、普通そうだよなと思う。素人が真実を知ったところで悪霊払いなんて出来るわけもなく、無差別に人を殺傷できる力を持つ相手に勝てる方法などない。関係ないじゃんと思わないでもないが、悪霊にはそういう道理とか関係ないしな……。印象としてはリングに近いかも。

 

4月

 

・囁く怨霊

 現代でも問題視されているストーカーによる殺人事件と皮切りに、次々と関係者が不幸な目に遭っていく。主人公は殺人事件を追う女性新聞記者で、目撃者や被害者の周りの人間について調べていくうちに真犯人へと迫っていく。

 彼女のストーカー被害をもみ消した警察、狂気的なストーカー、事件を目撃し助けを求められながらも逃げてしまった人が次々と不幸な目に遭っていく中、事件を調べている記者自身にも魔の手が忍び寄る。

 流石にほぼほぼ無関係の人にまで被害がいくのは理不尽で、ジャパニーズホラーらしい後味の悪さがあった。

 

黄龍の村

 典型的な因習村系か??と思いきや、展開は前半と後半でがらりと変わって面白い。こういう構成の映画を初めて見たので感動がすごかった。前半は陰キャ陽キャのウェイウェイ田舎キャンプって感じで、困っている所を村人に助けてもらって、宿まで提供してもらって陽キャ達ウェーイからの大虐殺タイム。

 ここで終わりかと思いきや、後半は陰キャ覚醒タイム。この村の人間は定期的に外部の人を村に引きずりこんで男は殺して食肉に、女は慰み者にしてきたようなのだが、その被害者の子孫が復讐にきたのである。陰キャと思っていた人達がばりばりのアクションスターで、次々と村人達を倒していく様は爽快感に溢れている。実は村に潜入する為に陰キャを演じていただけで、最後は女の子も格好いい。村で生き神様みたいに扱われていた人も最後仲間になっててちょっと笑った。それでええんかい。

 

・キラージーンズ

 海外のファストファッションの店で起こる不可解な殺人劇を描いた作品。

 物語に出てくるお店は人気の服やさんのようで、特定の曜日には特に客が押し寄せる。店員も自分は有名店で働いていると自負がある人が多いのだが、一方で人間関係はあまりよくない。そんな中である新作ジーンズによる事件が起こってしまう。

 そのジーンズは新作ジーンズなのだが、どんな体系の人にもぴったりフィットするらしい、試着してはいけないそれを持ち出してしまった店員はそのジーンズによって食い殺されてしまう。実はジーンズを製作する工程で事故があり、一人の女の子が犠牲となってしまったのだ。彼女の血肉と霊が乗り移ったジーンズは次々と人を食い殺していく。そしてその日は運悪く人が押し寄せる特定の曜日。必死に止めようとする店員を無視して入ってきた客たちもまた被害に遭うのだった。

 フェアトレードというものについて非常に考えさせられる作品だった。子どもの頃から教育も受けられず綿花畑で働く少女たちと都会でファストファッションを低価格で楽しむ人間たちとのギャップは皮肉がきいていた。

 

プレデター

 シュワちゃん出演作。熱帯雨林でのゲリラ作戦中、次々と敵味方問わず何者かに殺されていく。それは強者と戦うことに執念を燃やしているプレデターによるものだった。

 彼らにとって戦ったものの頭を取ることは勝利の証であるようで、負けた後は敗者はめちゃめちゃ無残な姿になってしまう。どんどん仲間がやられていってしまい、自身の命もまた危機に瀕しているシュワちゃんは、得意のゲリラ作戦を実行する。

 殆ど身一つ、武器もあんまり効かない相手に対して、その場にあるもので罠を作って立ち向かう様は勇ましい。最後まで手に汗握るアクション映画だった。

 

君の名前で僕を呼んで

 美しい自然と、どこか退廃的な人間の関係を描いた作品。主人公である少年は同性愛者なのだが、周りからは理解されないであろうと思っており、女性の恋人を作ろうとしている。ある日、都会から遺跡を調べに父親の知り合いの先生がやってくる。いままで周りにいなかった非常に男性的でセクシーな彼に主人公はどんどん惹かれていく。

 男性も主人公に対して好意を抱いており、二人は関係を持つ。しかしそれはひと夏だけのものであった。彼は女性の恋人がおり、結婚の予定もあった。彼もまた同性愛者であることを周りに隠していたのだ。期間限定であるがゆえに燃え上がる二人。しかしいつか別れはやってくる。そうして少年は少しだけ大人になるのだった。

 とにかく映像が綺麗だし、主要登場人物それぞれの美しさ、建物のレトロさと少年たちのみずみずしさが目を惹く。耽美的で青さと悲しさがある美しい映画だった。

 

・プロミス 戦慄の約束

 タイの金融危機によって、裕福で仲が良かった二人の女の子たちは絶望の淵に立たされる。そして二人で自殺をはかるが、一人は途中で怖気づいて逃げてしまう。

 そして数年がたち、女の子は立派な大人へと成長した。金融危機によって宙ぶらりんになった大型マンション建築を再度進め利を得ようと動いていたが、彼女の娘に異変が出始める。それは昔、一緒に死のうと約束した女の子の霊によるものであり、霊は彼女の娘を彼女の代わりにあの世へと引きずり込もうとしていた。娘を助けようと奔走する主人公。マンション計画もおざなりになってしまい、彼女は色々なものを失ってしまう。娘も最後は寝たきりの植物人間状態になってしまい、貧しくなった彼女は小さな家に娘と引っ越す。

 本当に大切なものはなんなのか、安易な約束はすべきではないと色々考えさせられる。母親の尻ぬぐいをまだ若くて将来のある娘がすることになってしまったのは、ひたすら可哀相でなんだかモヤモヤしてしまった。

 

 

アマプラで見た映画の記録3

6月

・コカインベア

 ゾンビーバーみたいなコメディホラーだと思って見たら、結構しっかり怖くてちょっと残念だった。大量のコカインを乗せたヘリコプターが森に落ちてしまい、クマがそれを食べてトリップ状態になり人を襲ってしまう。コカインを取り戻したいマフィアや、証拠を押収したい警察官が森にやってくるが、それらを次々と襲うクマ。そしてそんな物騒な森に遊びにきてしまった子ども二人と子どもたちを助けに来たお母さん。

 クマちゃんは実は雌ぐまで、こぐまが二匹いた。コカイン+出産後の気が荒い時期というので一段と暴れまわっていた様子。こぐまを盾にコカインを取り戻そうとした男はクマにやられてしまうが、子ども達と川に逃げた母は命からがら助かる。

 はらはらしながらも、親子が助かって本当によかった。結構ブラックジョークが効いている。

 

・Fall

 夫をクライミング中の事故で亡くしてしまった主人公が、動画配信者の友達に海外の古い電波塔に一緒に登らないかと誘われる。立ち入り禁止エリアにあっておそらく誰も整備していないのかはしごも錆び錆び、クライミング中の事故で夫を亡くしてしまったこともあって、ビビりまくってる主人公。画面から緊張感が伝わってきて自分まで高所にいる気持ちになり、背筋がスウっとする。螺子がグラグラとする不穏なカット。登り切った二人の爽快感とは別に、螺子がコロコロと落ちていく。どうやら天辺は電波が入らないらしい。動画実況もできないので、登り切って一心地ついた二人は降りようとするが、登ってきたはしごががらがらと崩れ落ちてしまう。

 ロープは短いものしかない。水などが入ったリュックは途中のアンテナに引っかかっている。どうにか助けを呼ぼうにも電波は入らない。絶体絶命の二人。メッセージを送信中にしたスマホを靴にいれて落としてみたり、持ってきたカメラ付き小型飛行機を飛ばしてみたり、色々してみるも車まで盗まれてしまいうまくいかず。実は夫と友達が浮気していたことも知ってしまって超ギスギス。流石に水がないとキツイので短いロープを駆使して友人がリュックを取りに向かい何とか水はゲット。そうして朦朧とする意識の中で、最後の望みを託して二台目のスマホを地面に落とそうと提案した所で気づく。友人はリュックを取りにいってリュックだけ残してアンテナにぶつかり亡くなってしまっていたこと。途中から自分が見ていた友人は、極限状態で見ていた幻であることを。そして主人公は、友人の死体にスマホを埋め込み、最後の望みをかけて謝罪とともに死体を下に落とす。

 結果、主人公は助かるがなんとも言えない気持ちになった。

 

・THE EXORCIST 信じる者

 エクソシストの新作。二人の人種が異なる少女が死者に会えるという儀式を行い悪魔に憑りつかれてしまう。徐々に異変が出始める二人を助けるべく、大人たちが奔走するが悪魔祓いの許可が下りずエクソシストは派遣されない。しかし、元シスターの看護師や地元の神父さま、まじない師など様々な分野の人々が集まって二人の少女への悪魔祓いが始まる。悪魔は様々な誘惑、甘言、そこにいる人々の過去を暴き拘束されている二人の少女を解放させようとする。ギリギリの所を潜り抜けるメンバーたち、しかし最後に悪魔は二人のうち一人だけを助けるという最大の罠を仕掛けてくる。

 キリスト教世界において、洗礼を受けているかというのは悪魔に対して最大の防御になりうるのだが、毎回悪魔は守られていないものを狙ってくる。今回は二人とも洗礼は受けていないはずだったのだが、一人はまだ母の胎内にいる内にまじない師によって祝福を受けていたのだ。これは個人的にはかなりエクソシスト作品として攻めた設定だと感じた。

 結果は悲しいものであったが、母の愛は確かにそこにあったのだと強く感じることが出来たのはよかったように思う。

 

・呪餐 悪魔の奴隷

 インドネシアのホラー。郊外に建てられたマンションで次々と事件が起こる。

 沢山の住人がいる古い大型マンションのエレベーターが、ある日故障して大勢の人が亡くなってしまう。本来ならばお葬式を行うはずであったが、あいにくの大雨で一階部分が浸水、マンション全体が停電。外に出ようにも汚い水があって底が見えないので危険。住人は死者とともに夜を明かすことになる。

 この場所はもともと墓地であり、地盤的にもマンションを建てるには向いていなかったようだ。その呪われた土地柄ゆえか、死者たちは動き出しやがて生きている人々にも危険が及ぶ。

 終始不気味な雰囲気なのだが、いまいちストーリーがつかみ切れず。特に終盤の謎の餅?みたいなやつは全く意味がわからなかった。

 

・ゴースト・イン・ザ・シェル

 いわずと知れた人気作品、攻殻機動隊の実写映画。雰囲気としては漫画よりもアニメの方に近い。特にイノセンスとはかなりの親和性を感じた。定期的に見ている作品の一つである。

 舞台は近未来の日本。テロ犯罪を取り締まる九課に属している少佐は、あるバグに悩まされていた。どこか見覚えのある画像データが視界に浮かぶようになり、彼女は身体の開発者でもある博士に相談する。些細なバグと思っていたそれは、彼女のゴーストに深く根ざしたものであり、そこから徐々に彼女は己の過去を知っていくこととなる。

 原作に対して非常にリスペクトを感じる本作品は、映像の美しさも音楽もまさに攻殻機動隊の世界観そのままである。タチコマは原作の方が可愛いが、本作のメインは少佐が草薙素子としての己を取り戻していく所にあるので、そこは致し方ないだろう。

 

・隣人

 ある団地に義母と父と一緒に住む子どもが、ある日殺されてしまう。しかし、殺されてもなお、彼女は霊となって家に帰ってきていた。その犯人である隣人の男は次のターゲットを虎視眈々と狙うが、前回の事件で彼に違和感を持っていた人々が、少しずつ彼のことを追い詰めていく。

 犠牲者の女の子が監禁されていた時点や、殺されてトランクに詰められた時、ゴミ捨ての時、色んな所で点のように犯人は違和感を他人に抱かれているのだが皆自分は無関係だと思っているので通報はしない。そんな生きていく上での隣人たちの無関心が事件を起こしもするし、隣人たちの優しさによって第二の事件は防がれもする。

 最後はスカッとするような、やっぱり犠牲者の女の子が可哀相なような、恐ろしいような、なんともいえない余韻を残す映画だった。

 

アマプラで見た映画の記録2

11月

・オクス駅のお化け

 取材元に訴えられ、多額の負債を抱えたライターが一発逆転を賭けてオクス駅に関するネット怪談を作り上げる。しかしそれは虚構ではなく、現実に死者が出始めてしまいライターはオクス駅の過去について調べていくことになる。

 編集長がとにかくいけ好かない感じで、部下は平気で切り捨てる。困ったライターが友人に相談すると、その友人が体験した恐ろしい出来事を話してくれることとなり、それをベースにしてオクス駅の怪談を記事にすることに。オクス駅は昔から事故が多いらしく、旧駅は廃駅となってしまっていた。しかしそこに入り込み回送列車に轢かれてしまった男性。それを目撃してしまった友人は子どもを見たという。死体回収業者もまた子どもを見ており、何か数字を言っているのを聞いたという。

 調べていくうちにわかってくる、孤児院の存在。そして子供たちの臓器の闇取引、企業と組んで隠ぺいする過程で犠牲になった多くの子ども達。オクス駅の怪談は子ども達の呪いであり、それは子ども達の気が済むまで続く果てのないものだった。

 子ども達が非常に可哀相で、いつか救われて欲しい。友人に裏切られた主人公が、最後編集長に復讐するシーンは爽快感がある。

 

・狂覗

 中学校教師たちが生徒に内緒で持ち物検査を行うが、そこから様々な事実が浮き彫りになってしまう。

 最初は情に厚い熱血教師を中心とした雰囲気の良い教師陣のように思えたが、持ち物検査が進むにつれ、じつは援助交際をしていたり、生徒にボイコットされて一回もまともに授業を行ったことがなかったりと教師たちの様々な裏の顔がでてくる。と同時にその教室で行われている陰惨ないじめの証拠なども出てきて教師たちは焦り、証拠を隠滅しようとしたりする。しかし、体育の授業で全員いないと思われていた生徒が一人教室に隠れていたのだ。発狂した教師はとうとう事件を起こしてしまう。

 なんとも後味の悪い作品。一見わかりやすいいじめのようであるが、かけらが組み合わさっていくと非常に巧妙に隠されたものだとわかってくる。大人も子どもも魂の部分では変わらないのかもしれない。

 

8月

・ミンナノウタ

 ジェネレーションズが主演のホラー映画。

 設定自体は怖いし、二転三転する状況は非常に手に汗握るものがある。倉庫で埃を被っていた昔の音声テープから始まるホラーというのは、どこかリングを思わせて懐かしい感じもして良い。しかし、合間合間に流れる元気の良い曲で恐怖感が薄れる。頭の中に流れてくるテープの曲をかき消す為に、メンバーが自分たちの楽曲を聞くのはわかるのだが、いかんせんホラーとの食い合わせが悪い。しかし、ホラーは苦手だけどジェネレーションズは見たいという人にはちょうどいいのかもしれない。

 霊感キャラみたいなのも出てきて、この人が活躍するのかと思いきやあっさりやられてしまい涙目。女性マネージャーの決死の奮闘により、なんとか場はおさまるがこれってジェネレーションズのファン的にはいまいちなのでは??結局の所、おそらく解決してないですよね……みたいなエンド。

 

・エコーズオブフィアー

 真に恐ろしいのは人間か幽霊か。祖父が亡くなってしまった女性が、その家を片付けるのだが段々と家に違和感を感じるようになっていく。

 主人公は祖父の家を売却し、その資金で結婚を考えているのだが、突然亡くなってしまったこともあり家は乱雑でなかなか片付かないし家は古いので色んな所にガタが来ている。掃除や修理を進めていくうちに、自分の他の存在を感じるようになっていく。そして祖父の暗い趣味を見つけてしまうのだ。

 婚約者が結構な無能だが、友達は友情に厚く頼もしい。幽霊におびえる主人公を励まし、ピンチには駆けつける。実は主人公の祖父は隣人と組んで女性を殺す快楽殺人者だったのだ。出てくる幽霊はそのことを主人公に教えて、隣人から逃げるように促していたのだ。が、見た目が怖いのと言葉を話せないので全く伝わらず。隣人は気づいた主人公と友人を殺そうとしてくる。色々とピースがはまってからの展開は面白い。

 

・スペルズ

 母を亡くした異父姉弟が寄宿舎に入るが、そこは恐ろしい場所だった。

 反抗期のお姉さんと弟の関係は悪く、喧嘩が原因で母親を亡くす。しかし母親の死を受け入れられない弟はこの寄宿舎に母親がいると言い出す。一方姉は寄宿舎でできた友人たちとスペードの女王を呼び出すおまじないを行う。本来ならばただの子どものお遊びで終わるところだが、学校の立地、過去の暗い事件もあって本物のスペードの女王が出てきてしまう。そして一人また一人の仲間たちは死んでいく。弟を連れ去られた主人公はスペードの女王に立ち向かうが、魂を囚われ身体を奪われてしまう。

 もともと姉の悋気から仲が悪かったこともあり、魂が入れ替わってからは弟と良好な関係を築けているよう。弟や家族的にはハッピーエンドなのかもしれない……。

 

・みなに幸あれ

 ある日、田舎の祖父母の家に帰省した主人公。久しぶりの再会を喜ぶ家族、しかしその家にはどこか違和感がある。家の一角にひどい状態で監禁されている男性を発見した主人公は良かれと思って男性を解放する。しかし、男性が居なくなってから家族の身体に次々異変が起き始め、自分も目から血が出るようになってしまう。次の生贄を求める家族と良心の間で葛藤する主人公だったが、最終的に幼馴染が生贄となり、家族の異変は収まる。

 人の幸せは誰かの不幸の上に成り立っているという事を非常にわかりやすく可視化した作品。最初はこんな風習ある訳ないじゃんと思っていたが、最後まで見ると、え、ないよね??自分が知らないだけ??と周りに確認したくなる。

 

・哭悲

 ゾンビ系パニックホラー。死体として動くだけではなく、自分の本能に忠実な生き物になってしまうようになるウイルスが広がってしまった台湾。主人公の女性はある男性に粘着され、必死に逃げ回り病院へと行き着く。そこでは秘密裡にワクチンの開発が行われていて、女性はそのウィスルの対する抗体を持っていることが明らかになる。一方、女性の恋人は女性を助けようと二人の住居からバイクにのって彼女が潜伏している病院へと向かっていた。しかし様々な妨害に遭い、彼もまた感染してしまう。

 本能をむき出しにして執拗に彼女を追ってくる男性が非常に気持ち悪くて、終始恐怖を感じさせられる。性的な衝動を抑えられなくなった生き物はこんなにも狂暴で恐ろしいのかとゾッとさせられた。感染していないはずの医師も非常にエゴイスティックで人間って一体……と考えさせられる。最後、感染してしまった恋人との別れは悲しいが、どこか希望も残る。

 

7月

 

・ノッキンオン・ロックドドア

 動機と方法、それぞれを解き明かす二人の探偵のタッグもの。探偵ものというと探偵と助手という形式が一般的なので二人の探偵というのは面白いし、動機と方法という二つの面をそれぞれ担当するという切り口が新しくて面白かった。

 毎回出てくるワン鍋料理がおいしそうで、多面的に楽しめる作品だった。しかし、トリック自体は単純なものが多く、モリアーティ的な悪役もそれほど魅力を感じなかったのは残念。

 

・韓国版コックリさん

 過去に村ぐるみの凄惨ないじめにあって亡くなってしまった霊を、女生徒たちがコックリさんによって呼び覚ます。ストーリーが進んでいくにつれ、いじめがどのようなものでいかに人間が残虐かが明らかになっていくのが辛い。亡くなってしまった女の子は目が悪かったが、母親が霊能力で彼女の弱視をサポートしていた。しかし、白濁した目の不気味さもあって、彼女は邪視の持ち主だと勘違いされ、虐められ最終的には殺されてしまう。霊能力を持った母はそれを知って気がくるってしまい、村人を恨んだまま家を燃やされ焼死してしまう。

 母親が美人でシングルマザーなこともあって、村の男たちは邪な目を母親に向けていた。子どもが敵視されたのは、男たちにとっては邪魔モノ、女たちにとっては男たちを誘惑する女の子どもという意識もあったのかもしれない。大人たちのそんな気持ちは子どもにも伝わり、子どもたちは堂々と女の子を虐めるようになる。

 人間の愚かさ、残酷さがとにかく辛い作品。

 

・迷霊怪談集

 海外のオムニバスホラー。四人の男女がそれぞれ怖い話を語っていく。ちょっと心温まる話から、ガチのホラーまで多岐にわたっていて世にも奇妙な物語を彷彿とさせる。くるはずだった5人目のまさかの落ちは不気味。色彩が美しく、自然の緑と朱色が特に目を惹く作品だった。

 

・ノック 終末の訪問者

 養子を迎えた同性愛者のカップルのもとに、四人の男女が訪ねてくる。彼らは三人を拘束すると、三人のうちから一人の犠牲者を選ばなければ地球が滅びると告げる。

 最初はなんかやばいカルト教団のやつきたな……と思うんだけど、時間がたつにつれテレビの向こうでは飛行機が謎の事故を起こして一斉に落ちてきたり、とてつもなく大きな津波が起こったりと天変地異の前触れが報道されるように。それでも三人のうち一人はこれは事前に用意された映像で、俺たちを殺すためのトリックだと言い張る。しかし、四人は天変地異を遅らせる為か一人また一人と自殺していく。そのたびに天啓のようなものが浮かび、これはトリックではないのだといつしか気づかされる。そして三人は決断を余儀なくされる。

 拘束をとかれた二人が建物から出て人里に出ると、やはりさっきまでの天変地異は嘘ではなかったことがわかってくる。いったい何がそうさせたのか、何故この三人だったのかわからないまま、二人は日常へと戻っていく。どこかミストのような雰囲気もあり、不思議な感覚で見てしまう映画だった。

 

ゴーストシップ

 無人の船を見つけた主人公たち一行が、お宝はないかと船内を探索する。最初の方にその船で起こった凄惨な殺人事件が描写されているので、明らかにヤバイ船なのだがそんなこと主人公たちは知らないので、うきうきで豪華客船を漁る。船内には成仏できない霊たちがたむろしているが、何故か絶妙に気づかない船員たち。そして船内で大量の金の延べ棒を発見する。しかし、それは悪魔の仕掛けた囮でこの船自体が悪魔が人間の魂を集めるための巨大な罠だったのだ。金に目がくらみ、争う人間たちを巧みに狩ってきた悪魔。一人また一人亡霊たちにやられる船員たち。それに気づいた主人公は金塊を捨て、この船を爆破して霊たちを解放する。

 命からがら主人公は助かるが、金塊と悪魔は再び人間界に入り込んでしまうという後味の悪いエンド。人間の欲が一番怖いってこと!?

 

・降霊会 血塗られた女子寮

 女生徒たちがみな美人で、どこか耽美な雰囲気。降霊会を行った女子たちが一人また一人と殺されていくのだが、幽霊にしてはあまりにも暴力的というか、明らかに刃物が使われているし、具体的な心霊現象とかもなくてあれ??ってなる。実は他人の論文を盗んだ女子が、快楽殺人者である校長(理事長?)の息子を唆して口封じ兼隠ぺいを行っていたことが明らかになる。が、途中入学してきた女学生がギリギリ解決する。

 実はその女学生は、一連の事件より前に死んだ女生徒の幼馴染でありその女生徒の死の謎を探るために学校に潜入していたのだ。生き残った二人の女生徒は再会を約束し転校生は去っていく。良質な百合映画。

 

ビザンチン

 儚げな吸血鬼である主人公が、いかに吸血鬼になったのか。彼女の母親も吸血鬼なのだが、男に騙され娼婦にされ、そして病を患い子どもを孤児院にやらずにはいられなかった悲しき過去を持つ。吸血鬼になったのち、娘を迎えに来て娘もまた吸血鬼になったのだが、女が吸血鬼になることは禁止されていて、吸血鬼の結社に狙われていた。二人は度々住居を変え、逃げ延びていたが事情を知らない主人公は自分が吸血鬼であること、母が人を騙していることにうんざりしていた。儚げな主人公と強めの美人の母親のコントラストが美しく、主人公と人間の恋はなんとも切ない。寒そうな気候も相まって、常に寂しげで冷たそうな映像が印象的な映画だった。

 

・女神の継承

 ふっくらすずめくらぶのモンゴルナイフさんがお勧めしていたので見てみた。

 代々巫女の家系に生まれた女性の生活に密着したモキュメンタリー形式の作品。舞台はタイ、その家系の女性は前の巫女が死ぬと、親戚の中で一人が天啓をうけ巫女を継承するという。そして選ばれた女性は女神に奉仕し、地域住民の生活をおまじないで支えていく。本当は姉が継承するはずだったのだが、姉は女神に奉仕する生活を嫌がり、神を否定して肉屋に嫁いだ。しかしその肉屋は過去に大量に人を殺した上に、今も犬を殺して肉にしていたこともあり沢山の恨みをかっていた。そして姉の娘が何者かに憑りつかれたことにより、巫女は娘を助けようと儀式を行う。しかし、姉が神を否定したことで神の加護から離れてしまっていること、姉の夫の家系もまた問題があることで儀式は難航。また、大事にしていた女神像にも異変があらわれたことで巫女は信仰を疑い始めてしまう。

 とにかく姉が自己中心的だし、兄も姉側の人間で巫女のことを異物扱いしつつも困ったら頼るみたいな態度がイライラする。最後はもう誰も助からないのだが、家族をないがしろにしてきたツケなのではないだろうかと思わずにはいられなかった。

 

プレデター

 1と打って変わって、舞台は都会に。1は強いものと戦い印を得るみたいな目的があったように思うが、2は何で都会に来たんだろう……??ギャングを大量に殺してみたり、警察官と敵対してみたり。正義感の強い警察官を押しのけ、政府の研究機関が対処しようとするもあまりにも強すぎるプレデター。しかし、決死の覚悟で彼らの宇宙船に潜入した警察官によって彼らは撃退されるのであった。こういうのは正義が勝つのよな。安定。

 

・三茶のポルターガイスト

 ホラー界隈で有名な、絶対出ると噂の稽古場で検証を行うドキュメンタリー。エレベーターで会うというレインコートの人物や、画像に映った白いの正体はわからないが、建物が古いことを考えると水道管の老朽化からの水漏れや、それのよる電気系統の不具合は十分あるなと思うし、壁の表面をなでるだけではわからない不具合が結構出てるのじゃないかなと感じた。ホラーは好きだけど、なんでもかんでも心霊に関連あると考えるのは好きじゃない。現実的な要素を取り除いた所に残る、ほんの少しの本物だけが面白いのだ。

 

・グッドナイト・マミー

 ある日から、母親は変わってしまった。両親に愛されて育ってきた双子の兄弟。しかしある日を境に父と離れて、母と暮らすことになる。そして母親は終始顔に包帯を巻いていた。美容整形を行った後、日の光に充てるのが予後に良くないという事で母親は終始包帯を顔に巻いている。昔は寝付く前に子守歌を歌ってくれていたのにそれもなくなってしまった。徐々に彼は自分の母親が本物の母親ではないのではないかと疑いを持つようになる。しかしそこには悲しい理由があったのだ。

 母親は元女優であり、その美貌を誇っていた。しかし加齢には勝てず、彼女は美容整形手術を行うことになる。子どもたちが疑った瞳の色も、役の中でカラーコンタクトをつけていただけであり、彼女は正真正銘彼らの母親であった。しかし、重大な隠し事をしていたことが仇となり、疑念を深めてしまう。

 なんとも救いがない物語。偶然に偶然が重なると、こんなにも悲しいことになってしまうのかとひたすら少年の不幸を嘆いた。いつか真実に気づいてくれますように。

 

・心霊写真

 写真家主人公と恋人の女性は、学生時代からの友人の結婚式に出席した帰り道事故を起こしてしまう。逃げ出した二人であったが、その日から主人公の男性が写す写真に奇妙なものが映り込むようになる。原因を探るうちに、過去に起こった悲惨な事件が明るみに出ることとなる。

 そもそもひき逃げ事故起こしてる時点でどうやねんって話なんだけど、事故相手の女性は結局見つからず。過去を探るにつれ周りの友達も結構な問題児であったことがわかってきて、これは因果応報。主人公は昔付き合っていた女性と問題を抱えていて、ストーカーみたいに相手がなってしまっていた。見かねた友人が助け舟を出すのだが、それがよりにもよって女性が乱暴されているシーンを主人公に撮らせて弱みを握るっていう最悪の方法だった。その後、女性は亡くなるんだけど主人公はそのことをなかったことにして、結婚しようとしていたことが恋人にばれてしまい、破局

 最後は幽霊にやられてしまうんだけど、これはしょうがないね……。悪いことはするもんじゃないですよ。