3月
・傀儡の家
ホラーゲームのような構成で、前半はストレートに怖いというよりもなんとなく雰囲気があるな、なんとなく怖いなと感じることが多くてぞわっとする。登場人物の気のせい?見間違い?それとも、と思わせる所がうまい。過去にその家に何があったか調べるところが脱出ホラーゲームのようで面白い。
一方的な被害者と思っていた登場人物が実は……だったり、終始クソムーブをしてるキャラが最後は痛い目にあったりと意外性や勧善懲悪な部分もあって、ジャパニーズホラーにしてはすっきりと終わった。
2月
・サイレントナイト
戦時中のある国で、人々は死の恐怖と戦っていた。敵国が致死性の高い兵器を使うことが政府から発表され、国民にできることは安楽死の薬を飲むことのみ。その中である一家がどう過ごしたかが描かれた映画。毒ガスなんて嘘だろって普通なら思うところだけど、その時の状況や誰が発表したかで信頼度って変わってくるなと思った。最後の最後、どんな風に誰と過ごすかは大事だなと思う。やっぱり家族と一緒がいいかな。そして騒がしかった夜が明け、人々のいない朝が始まる。希望か絶望か、なんともいえない終わり方。
1月
・オテサーネク
チェコの民話を元にした、ちょっと悲しいホラー。ある不妊に悩む夫婦が妻の気晴らしをするために田舎に別荘を買って余暇を過ごす。庭の整備をする夫は赤ん坊に似た形の切り株を見つけ、ちょっとした悪戯を思いつき、妻に赤ん坊を見つけたといって切り株を見せる。夫の思惑とは反して、妻は本当にそれを赤ん坊として扱うようになってしまう。
最初の方は本当にただの切り株だったはずなのに、どんどん自ら動き出すのはちょっとぞっとしたし、夫はいったい何を掘り出したのかと怖くなった。どんどん食欲を増していく切り株に最初は普通に食べ物を与えていたのだが、だんだん切り株は生きている猫や鳥を食べるようになっていき、最終的には人間を襲うようになる。
このままでは大きな被害を出してしまうと断腸の思いで切り株と別れる夫。しかし近所の子どもがその様子を見ていて、切り株を解放してしまう。
最後ははっきりとは描かれていないが、おそらく元ネタの通りになったのだろうなと思う。
人間それぞれのエゴが垣間見えて、風刺的な所が面白い。
・それ ~それがやって来たなら…~
風船、ピエロ、タイトル、明らかに某有名映画を意識したものであるが、内容は全然異なる。ボーイスカウト?のような宿泊研修に参加した子どもたちと付き添いの大人が事件に巻き込まれる。付き添いの大人の方が原因で、昔虐待されている子どもを見捨ててしまった過去があり、その子が大事にしていたピエロの人形が復讐に訪れたのだ。見捨てられた子は可哀相だが、研修に訪れた子どもたちを巻き込んだ意味は……??と疑問に思ってしまった。他に被害者を出すのは見捨てた以上の罪では……??タイトルで損してるなあと感じた。
・The SUPER MARIO BROS.MOVIE
最初の工事現場を駆け抜けるシーンから、もうゲームのマリオで心が湧いた。クッパが結構ロマンチストというか、愛に生きてる感じでゲームよりは悪役感少な目。キノコ王国でどうしてピーチ姫だけ人間なのとか、ゲームでは語られていない部分も語られていて新しさもあった。途中からはマリオカートの要素も加わってスピード感が増してくる。クッパの本拠地での戦いはアクション要素もあって面白かった。ルイージはもはや第二のヒロイン。死は救済くん(勝手に名付ける)はいったいなんだったんだろう??2のフラグ??元ネタがわからなかった。
・ミーガン
第一印象からして、よくできているなと感じた。CGかと思っていたが、実際の子役を使ったミーガンの映像は人間とは思えない無機質さとぬるぬる動く感があって、なんとも言えない不気味さがあった。家族を亡くしてしまい、心を閉ざした少女にケア要因として与えられたミーガンではあったが、段々少女を第一としすぎるあまり周りに対して攻撃的になっていく。そもそも、実験段階でセーフティにバグがあったのにも関わらず、実現化に向け急ぎすぎているのは大人の悪いところ……。
少女を襲った犬が消えたり、いじわるしてきた少年が怪我をしたり、開発者がおかしいと思った頃には、少女はミーガンにどっぷりはまってしまっていて周りもミーガンの一般発売を進めようとしている。そして起きてしまう大量虐殺。
最後は解決した!!と思いきや、不穏な気配も。どんなに便利な道具でも、使う人間が愚かならそりゃあ大怪我しちゃうよなあと納得する部分も。技術だけでなく、人間も成熟していかねばならない。
漫画原作のアニメ映画。プロのミュージシャンを目指す主人公が楽器一つで成功していく物語。原作はもっと挫折や失敗があった気がするが、時間の制限もあってかほぼほぼ順調なサクセスストーリーになっていた。田舎の少年が都会に出ていき、バイトをしながら仲間を探し、バンドを組んで活動をしていく。作中に出てくる曲がやたらと良いなと思ったら、上原ひろみさんが担当していたらしい。原作を大事にしている人からすれば、大事なストーリーがかなり削られていたり、キャラのその後が改変されていたりと納得できないことは多いだろうなと思う。原作がない、一つの音楽作品としてみれば面白かった。